オタクの隠れ家

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「千歳くんはラムネ瓶のなか」を読んで

おはようございます こんにちは、こんばんは

今回は、ガガガ文庫より発売されている「千歳くんはラムネ瓶のなか」、通称チラムネについて、一気に最新刊まで読み進めてしまい、久しぶりに誰かと語りたいラノベだったので、誰に語るでもないですがブログでひっそり記しておきたいと思います

 

 

まず、このラノベがどんなラノベなのかをネタバレしないようにざっくりと説明すればリア充青春ラブコメです

もしかしたら蕁麻疹が出る人もいるかもしれませんね

同じガガガから出てる俺ガイルや友崎くんのような成り上がり系のリア充ものではなく、最初からトップカーストの主人公によるハーレム青春のラブコメです

主人公の千歳朔の周りは最初から魅力的な女の子で囲まれていて、クラスの中でトップカーストのグループでそんな女の子と数人の男友達と一緒に駄弁ってる、そんな風景の物語です

ただ、それでもベースには上二つに挙げたガガガの青春ラブコメの系譜を受け継いでる、言ってしまえば僕の好みの作品でした

地の文や、行間を読ませて人の心の機微を感じさせようとしてくる部分は俺ガイルに、リア充のグループ周りに関する問題を通してという点では友崎君に、両者のいいところを併せ持っているなと

ネタバレあんましないで書けるところはこんなところですよね

以下ネタバレしながら

 

 

一巻

まずは一巻です。この巻は大きく分けてキャラクター紹介と一つの問題に対して取り組む巻でしたね

物語は高校二年生のクラス替えから始まりましたが、主人公である千歳くんは担任の蔵センから、ここ数ヶ月不登校のクラスメイトを登校させろとのお達しを受けます

その不登校児は絵にかいたようなオタクで、オタサーの姫に告白して玉砕したことがきっかけで不登校になっていました

紆余曲折ありながら、不登校児を登校させるまでこぎつけた千歳くんは、その不登校児「健太」とある目標を立てます

それは自分を振って馬鹿にしてきたやつらを見返すこと、期限はゴールデンウィークの初日

そのために、健太を自分のグループに入れてコミュ力の強化やあれやそれをします

友崎くんの日南視点みたいですね

まぁ、正直一巻に関しては次巻以降のシリーズへの導入的な色合いが濃かったように感じたのであまり書くこともないって感じです

ただ、僕はこの一巻を読んでその日のうちに続きを全部買いに行きました

驚いたのは表紙にもなっている柊夕湖というヒロインが千歳に対して明確な好意を表していることです

におわせている感じだと優空もかもしれません

作品開始時から主人公に対して惚れているヒロインが出る作品久しぶりに読んだなと

もちろん惚れた理由は後々しっかりと語られるはずだし、明確にそれについて書くのを今は避けているなとも感じたので全然気になりはしませんでした

ただ驚いたというだけですね

一巻を通すと、千歳くんの考え方や行動原理、登場人物の人物像がとても分かりやすく書かれていた、先に書いた通り導入として完璧な巻だったと思います

ヒロインもかわいい子が多いし!

二巻

二巻は私に天使が舞い降りたって感じです、いや女神か?

というわけでヒロイン格の一人、七瀬悠月に焦点を当てた巻でした

一巻読んでるときからキャラデザ含め僕のtier1は悠月だったんですが、この巻でそれを不動のものにしましたね

悠月に対するストーカー疑惑を解決するために、悠月は千歳に対して偽の恋人になってくれないかと依頼します

そこからの何とも言えない距離感で繰り広げられるラブコメと、悠月の心の闇を書くバランスは本当に引き込まれました

「私は怖いな。自分がそうされてきたように、勝手に誰かを好きになって、勝手に嫌いになっちゃうことが。だから夕湖がうらやましい」*1という悠月の言葉は、俺ガイルで育った自分にとってはすっと体の中に入ってくるというかなんというか、この巻を通して結構書かれていることの中に誰かから求められる像を演じることや、自分の推しつけたその人のイメージを好きになること、幻想への恋心への否定など、「あ、ここ進研ゼミでやったところだ!」という部分がたくさんありました

この進研ゼミというのは俺ガイルであったり、友崎くんであったりそういった別作品です

ただ、それがパクリだとかそういう話じゃなくて、これらの作品を読んでたから、そのおかげでこの二巻、もしかしたらチラムネという作品そのものがさらに楽しめているのかもしれない

そんなことも考えながら二巻を楽しみました

もちろん、こういった作品の根幹部分も楽しみながら読みましたが、一番は悠月というヒロインの可愛さです

まず、胸の大きさがちょうどいい、ちょうどいいんだよ

たまに出る方言、いいよね

もちろん、ストーリー的にこのまま二人がくっついてハッピーエンド、七瀬悠月が正ヒロインでした終わり!なんてなるはずがないのに、もっと見ていたい二人の関係だったと思います

たくさん可愛いシーンがあったけど、一番個人的に好きだったのは「それでも多分、こっちの自分の方が好きになれそう。そんなふうに考えて、気を抜いたら思わず緩んでしまいそうな頬にきゅっと力を入れていたら、後ろからからたかたったと軽い足音が聞こえてきた。それでもう、完全に私の口許はへらへらだ。自分のほうがあんなにぼろぼろになってたのに、やっぱりひとりで帰すのが心配になってしまったんだろうか。本当に最後の最後までかっこつけ……でも、うれしいな。きゅっと、私の手が握られた。『悠月』私は必死に甘々な表情を取り繕ってから振り向き」*2のシーンです

千歳に対して明確に恋心を焦がれるようになった悠月の女の子モード、それまで七瀬悠月を演じきっていた女の子が隠しきるのに苦労するほど千歳のことを思って表情を緩ませている描写は本当に破壊力がすごいです

作者の裕夢先生は本当に天才だと思います

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いや、可愛すぎない?

 

三巻

三巻は唯一の他学年ヒロイン、西野明日風が中心の話でした

これは僕の完全な好みになっちゃうので、作品やヒロインの魅力そのものが悪いわけではないです

ないんですが、多分僕は明日風のようなヒロインを好きになれないんですよね

キャラデザの話で言えば、僕は泣きぼくろや口許のほくろが好きではないのでそこでマイナス

キャラクターの話で言えば、どこか野良猫のようなふわふわ漂う不思議な女の子、みたいなキャラが苦手です

ちょっと違うかもしれないけど他作品で言えば脳コメの雪平とか友崎くんの菊池さんとか、なんとなくそういうキャラを好きにならないんだなぁって思っていただければ

ただ、話の内容としては、今の自分にすごく刺さってくる内容で読んでてつらかったです

辛いといってもこの辛いは心が動かされたという意味で辛かったというか、決して苦痛だとかそういう意味ではありません

三年生である明日風の進路についてが主題の話だったので、今大学三年生で卒業や就職から逃げ続けている自分に深く刺さる言葉がたくさんありました

ダメな人間なので、刺さったなぁと思いつつ結局何も行動には移せず、また本当に許されるまで同じような日々を過ごすのだと思います

まぁ、自分のどうしようもない話はこの辺にして、夢を追いたい娘と、堅実な生き方をさせたい父親という構図

話の中で明日風と共に東京旅行をする部分がありましたが、明日風の見学したい大学というのが自分の通っている大学だったため、めちゃくちゃ話中の情景がわかりやすく、初めて今の大学に通っていてよかったと思いました

あとは、少ない出番でしたが悠月がかわいかったです

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僕も頬っぺをぎゅっとされたいです

四巻

多分、全部の巻の中で一番好きだったのがこの巻でした

内容としては、女子バスケット部の新チームが発足し新キャプテンとなった青海陽の部員とのすれ違いや、主人公の千歳がなぜ野球部を辞めたのか、辞めた野球部に助っ人を頼まれた千歳はどうするのか、才能と努力の境界はどこなのか、持つ者と持たざる者の考えの違い、そういうスポコンの全部を詰め込んでくれたのがこの四巻だったと思います

簡単に言っちゃうと、スポコンのラブコメが好きなんだと思います

なんていうか、蒼の彼方のフォーリズムって感じです、あおかなが一冊に詰まっていると感じました

あおかなのあの√の努力だったり、あの√の挫折だったりそういったあれこれを、表現を借りればサイダーの泡みたいにはじける女の子の汗とともに描いている

千歳が野球部の助っ人として一試合限りの復帰をするという話、本当に好みのストライクなんですよね

金色ラブリッチェの主人公も千歳と似た境遇で同じようなシチュエーションがありましたが、あれもすごく好きでした

そして、今巻はそういったスポコンをそれまで男友達のような付き合い方だった青海陽というヒロインを通して描いていました

陽のtierが悠月に次ぐぐらいにはなりましたね、可愛すぎるんじゃ...

最後の情景と表現、きれいすぎるんですよね

 

「両手が塞がっているせいで火傷してしまいそうな胸を押さえられないのがもどかしくて、ラムネをいっきに流し込んだ。やがてからんと音が鳴り、中身が空っぽになったことを教えてくれる。そうして見上げた空の半分は、あのとき俺を護ってくれた群青色。片手でゆっくりとキャップを捻って開け、ラムネのビー玉を手のひらに乗せた。やけにきれいなもう半分の空に向けて、それを掲げてみる。あのとき俺の背中を蹴飛ばしてくれた、熱くて、まぶしくて、強くてやさしい———。太陽の笑顔に、いつまでも見とれていた。いつだって夏の入り口には、目印が転がっている。きっとそれは、踏み出した一歩の先で見つけられる、大切な世界の秘密みたいなもの。ちゃんと終わらせたあとには、ちゃんと始まりがやってくる。——新しい夏は、サイダーの泡みたいにはじける女の子の汗が連れてきた。」*3

 

何回読んでも好き

スポコン×ラブコメは至高

陽ちゃんほんと可愛い、やべえよこんなポテンシャルを秘めていたなんて...

元々キャラデザも性格も好きではあったけれど思わぬ伏兵って感じでした

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総括

 千歳くんはラムネ瓶のなかはいいぞ(語彙力)

まだ夕湖の千歳に惚れた理由とか、優空周りの掘り下げとかもないのでそこらへんは続きに期待ですね

ただ、悠月や陽のターンは喉から手が出るほど欲しています

もう何なら神二次創作家のssでいいので書いてくださいおねがいします(欲張り)

 

それではめちゃくちゃ長くなったけれどこの辺で

ばいちゃ

 

 

P.S.

この画像の悠月と陽めちゃくちゃ好き

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*1:千歳くんはラムネ瓶の中p287 ℓ2-3

*2:千歳くんはラムネ瓶のなか2 p336 ℓ1-10

*3:千歳くんはラムネ瓶のなか4       p415-416